DevOpsとアジャイルの時代において、継続的デリバリーはデジタルトランスフォーメーションを推進する力を持っています。この相互作用によって、ソフトウェア企業の働き方やイノベーション促進の方法は様変わりしました。DevOpsおよびCI/CDを成功させるには、高速化されたソフトウェアデリバリー、フィーチャーの応答性、チームの生産性や競争的優位がますます重要になっています。
実際に、DevOpsへの関心は、開発者、IT、運用、基盤チームを超えて、ステークホルダー、指導層、経営層にまで広がっています。
データは語る
451 Researchが行った最近の調査Voice of the Enterprise: DevOps 2019の結果では、次のように述べられています。
「開発者およびIT運用チームの他に、DevOpsの実現において重要なステークホルダーとしてセキュリティ部門(44%)が挙げられ、これにIT管理(38%)、経営層および指導層(25%)、営業マネージャー関連(23%)が続きます。」
しかし、どうやってCI/CDおよびDevOpsの成果を測ればよいのでしょうか?内部的なDevOpsの実践でも、顧客向けのソフトウェアリリースでも、うまくいっていることを確認するには、相当量の検証が必要です。
ここでもう一度、451 Researchの調査から引用します。
「調査対象組織のうち42%は、品質メトリクス(欠陥率、脆弱性)を用いてDevOpsのビジネス的価値を計測または証明しています。いっぽう、41%の組織は、ビジネスレベルのメトリクス(顧客満足度、ユーザーエクスペリエンス、トラフィック等)を用いてDevOpsの効果を計測しています。」
しかし、DevOps駆動デリバリーの成果を従来のITメトリクスだけで測るべきではありません。技術的な成果をビジネス的な成果に結び付ける値も考慮に入れるべきです。現代的なアプローチによるソフトウェアデリバリーは、リリースパイプライン全体を通じた価値創造の増幅だけでなく、DevOpsのスケール化にも役立ちます。
あなたの組織に、高品質の製品をより速くデリバリーするためのソフトウェアデリバリー管理(SDM)戦略はあるでしょうか?DevOpsの優先順位付けを行って、開発およびデリバリーワークフロー全体を効率化しているでしょうか?
ソフトウェアデリバリー管理はCI/CDおよびDevOps成功の鍵
つねづねCloudBeesで言っているとおり、計測できないものは改善できません。
最近、私たちはカナダの大手銀行を含むいくつかの顧客と話をして、興味深い洞察を得ました。その銀行によると、自分たちはDevOpsの実践と開発・デリバリープロセスの現代化という点では業界でも最先端を行っているが、製品パイプラインの可視性をもっと改善できなければ、いずれ市場での競争力を失ってしまうだろうと考えているとのことでした。
成熟したDevOpsプラクティスを実現している組織でさえ、複数のチーム・ツール・人・プロセス間の摩擦を低減しようと苦闘しているのです。実際、開発者たちは次のような疑念に駆られることがよくあります。
- 自分は顧客のために適切な機能を構築しているだろうか?
- 機能は製品内でどのように位置づけられるのだろうか?
- なぜこの製品を構築しているのだろうか?自分の顧客/ユーザーはどのような人々なのだろうか?
このような閉塞感が発生する原因は、データが断片化されていること、また複数の独立したツールを使っており、組織全体の接続を確立する統合されたソリューションがないことにあります。
エンジニアリングチームも、製品チームやマーケティングチームと同様にビジネス目標や顧客からの要求にアクセスできなければなりません。
ステークホルダーから製品チーム・開発チーム・QA・Opsチームまで、組織階層全体がシームレスに連携し、滞りなく機能するためには、ソフトウェアデリバリーが以下の4本の柱を中心に回っていなければなりません。
- 統合されたビューで共有されるソフトウェアデリバリープロセスの共通データおよび情報
- 共通データから得られる普遍的洞察
- ソフトウェアデリバリーオーケストレーションのための統合接続されたプロセス
- 上記の3本の柱に加えて、4本目の柱によって、すべての職能がコラボレートし、価値のデリバリーに集中する地点にまで到達します。
これら4本の柱は、私たちがソフトウェアデリバリー管理と呼ぶものの基礎をなし、ソフトウェアデリバリーをビジネスプロセスの中心にします。CloudBees SDMプラットフォームはこれをさらに発展させ、製品ビルド、パイプラインリポジトリ、コントリビューター、リリース頻度などを一覧できる統合ビューを提供します。さまざまなエンタープライズツール(GitHub、JIRAなど)からデータを収集し、個人やチームにとって意味のある洞察を明らかにします。
CloudBees SDMプラットフォームはDevOpsツールチェーンの最上位に位置し、ソフトウェアデリバリーの可視化およびオーケストレーション層として機能します。あちこちに散らばったソースからすべての情報を収集して1つのダッシュボードにまとめて提示するため、職能を超えたさまざまなチームが共通の認識に立つことができます。プラットフォームは、ソフトウェア開発およびデリバリーライフサイクルについて、製品およびエンジニアリングの観点からエンドツーエンドの可視性を実現します。また、以下についても可視化できます。
- 効率性メトリクスに照らして、チームがどれほどうまく機能しているか
- Rolloutのフィーチャーフラグモジュールを利用して効率的なフィーチャーの公開方法を判断する
- レコメンデーションエンジンのレコメンデーションに従って製品ポリシーを定義する
このワンストップダッシュボードを利用すると、どの機能が開発中か、製品がどの開発またはデリバリーステージにあるか、どんな課題に対処すべきかについて知ることができます。このようなコンテキスト情報を1か所で参照できるため、役に立つ完全なフィードバックループを容易に確立できます。
分散された組織を結び付け、適切な製品を適切な時にデリバリーするには、CloudBees Preview Programに参加してください。
その他の参考資料
- ウェビナーを視聴してソフトウェアデリバリー管理の基礎についてより詳しく知る
- ソフトウェアデリバリー管理(SDM)が重要な理由とSDMのメリットを学ぶ
(この記事は、CloudBees社 Blog 「When DevOps meets Software Delivery Management — The Fundamentals」2019年12月2日 Michael Baldani 投稿記事の翻訳です。)