Jenkins Day Japan 2019 開催レポート


Jenkins Day 2019開催レポート

2019年10月11日に開催された「Jenkins Day Japan 2019」の様子をお伝えする、開催レポートを公開いたします。

Jenkinsの開発者であり、CloudBees社のChief Scientistでもある川口耕介氏を始め、特別講師として、イスラエル発のレコメンデーション広告プラットフォームTaboola(タブーラ)社と、金融サービス業界およびビジネス向けにコミュニケーション、テクノロジー、データおよび分析の高度なソリューションを提供するBroadridge(ブロードリッジ)社に講演いただきました。講演では、DevOpsの取り組みについて、組織の中でどのような活動を行ったのかを、自身の体験談を踏まえてお話しいただきました。

Jenkins Day Japan 2019の講演資料のダウンロードをご案内いたします。ご興味のある方は、ぜひご確認ください。
講演資料は、Session1、Session2、Seesion4の資料は英文となっております。


Jenkins day japanSession1

QAからリリースエンジニアリングへの進化 R&D急成長の礎としてのCI/CD

Taboola 社
Avi Levi 氏

この10年で、飛躍的な組織の拡大を経験したTaboola社。
ソフトウェア開発チームの生産性を極限まで高めるというミッションに挑み続けた2007年~2019年までの軌跡をご紹介。

「【ENABLEMENT】開発活動を改善し、最適化するための概念や取り組みをメンバーで共有することが、もっとも伝えたいメッセージ」

2007年にスタートアップしたTaboola社。現在、革新的なソリューションを展開し、14億以上の人が毎月サービスを利用するレコメンデーション広告プラットフォーム提供企業へと急成長しました。躍進の背景には「ソフトウェア開発チームの生産性を極限まで高める」という明確なミッションがあります。Avi氏の講演では、従来のQA文化からDevTestOpsへの脱却、さらにはリリースエンジニアリング組織へと変化していく過程が語られます。QAチームと開発者が明確に分離していた頃は、本番へのリリース遅延やバグなどのビジネスへ影響を及ぼす問題、またQAチームと開発者の非効率なコミュニケーションがありました。そこでAvi氏は、自身の持っているビジョンを共有する協力者を得ながら、組織の文化に変革をもたらすために、さまざまな取り組みを開始しました。組織の規模が拡大していく中で、品質に妥協することなく大きな成果をもたらしたのは、CI/CDパイプラインによるリリースフローの自動化でした。

<参加者のコメントを抜粋>

DevOpsへの展開について大変参考になった。課題対策を理解しやすく説明されてイメージが明確になった 。
毎日短納期で対応している開発者に対して、CIの導入を納得してもらうためのノウハウを学べた。とても参考になりました。


Jenkins day japan

Session2

Broadridge社におけるDevOpsの進展

Broadridge 社
Daniel Ritchie 氏

DevOpsを組織に展開していくために、どのような土台や体制を組織に築いたのか、DevOpsの文化を形成するために必要な要素をご紹介。

「種が育つのに必要な「肥沃な土」「水」「日光」が必要なように
DevOpsにも、育つような最適な環境を用意してあげることが必要である」

Broadridge社は、国際的なフィンテックリーダーであり、さまざまな技術サービスを金融業界に提供するグローバル企業です。2016年に「DevOps Center of Excellence」組織を立ち上げ、2019年にはその活動と功績によりCloudBees社より「DevOps Automation Excellence」賞が贈られました。Daniel氏は、DevOpsを浸透させるために実施された取組みを紹介します。同社では過去3年間、毎月1回DevOpsについての勉強会(特定の技術テーマに関しては週に一度)を開き、いろいろな立場、役割の人が集まり積極的に話しました。これにより部署を超えてアドバイスを求め、提供することが自然に行われるようになり、同社は「学ぶ組織」へ変わっていきました。Daniel氏は、種が育つのに「肥沃な土」「水」「日光」が必要なように、DevOpsにも最適な環境を用意することが必要だと説きます。同社の技術者の中でJenkinsは、共通言語のようにコミュニケーションできる(みんなが利用する)プラットフォームだったので、「学ぶ組織」という文化と相まってみんながJenkins/DevOpsについて話し、お互いが作ったものを使うようになりました。Jenkinsは技術者がやりたいことを実現するためのベースラインとなっているのです。

<参加者のコメントを抜粋>

開発者の意識を変えるための取り組みが参考になりました。
コミュニケーションの円滑化、先人達の知見を大切に捉える考え方が非常に参考になりました。


Jenkins day japan

Session3

DevOps World | Jenkins World 2019レポートと最新ソリューションのご紹介

テクマトリックス株式会社/
CloudBees社 Sunil Mavadia氏

「DevOps World | Jenkins Word 2019」の概要を報告と、CI/CD, DevOps, DevSecOpsに関連する最新のソリューションをご紹介。

「CI/CD, DevOps, DevSecOpsに関連する最新のソリューションをご紹介」

テクマトリックスからは、2019年8月にアメリカ サンフランシスコにて開催された「DevOps World | Jenkins Word 2019」報告と、テクマトリックスが提供するサービスについて紹介しました。CI/CDの導入や改善にまつわる課題とその解決策として「CloudBees Core」/「CloudBees DevOptics」をデモンストレーションを交えて紹介しました。CloudBees社からソリューションアーキテクトのSunil氏は、DevSecOpsにおけるリリースオーケストレーションについてデモを交えて紹介しました。昨今のセキュリティへの取組みが強く求められるソフトウェア開発においてどのように対応していくべきかを熱く語っていただきました。テクマトリックスは、お客様のビジネスに合わせて、テストツールや分析ツールを組み合わせた最適な開発環境を提案いたします。「ソフトウェア品質と開発時間の短縮を両立させる」といったお客様の課題がありましたら、ぜひ、テクマトリックスにご相談ください。

<参加者のコメントを抜粋>DevOpsのデモは初めて見たのでFreeで使ってみたい。
Jenkinsシステム全体の俯瞰の必要性を感じる良いセッションでした。



Jenkins day japan

Session4

 「GitOps, Jenkins X, CI/CDの未来」

CloudBees社
川口耕介 氏

GitOpsとJenkins Xがクラウド・ネイティブなウェブアプリケーションの開発を如何に簡単で効率のよいものにするかをご紹介。

「大事なことはデベロッパーエクスペリエンス(DX)、
GitOps、Jenkins X のようなベストプラクティスを利用すること」

どんな組織であってもソフトウェア開発の生産性向上には関心があります。DevOpsの取組みに成功している組織は、その生産性をどんどん向上させ、取組みが進まない組織との差を拡げていきます。生産性の高い組織の特徴は、スループット(デプロイ頻度)とスタビリティ(安定性=品質)の高さです。この2つは相反する指標として捉えられがちですが、両立できることはさまざまな調査結果が示しています。しかし、ビジネス、テクノロジの両面で変化が激しい世界で、これから変革を遂げようとする組織が独自のDevOpsパイプラインを再発明することは理にかなっているでしょうか。GitOpsや継続的デリバリといった成功事例を伴う多くのプラクティスがすでにあります。必要なのは、Kubernetesのような重要かつ複雑なテクノロジに精通していなくても、これらを抽象的に扱うことで技術的メリットを享受しつつ、ベストプラクティスを容易に導入する手段です。Jenkinsの生みの親である川口氏が、クラウドネイティブアプリケーション開発におけるJenkins X の利点に加え、将来のCI/CD像として研究が進んでいる機会学習を用いたDevOpsの取組みを紹介します。

<参加者のコメントを抜粋>

JenkinsXのコンセプトが理解できた。大規模なソフト開発が必ず開発コストがかかるわけではないことは新たな発見でした。
最新の技術動向が知れてよかったです。できるだけそうゆう技術を社内で取り入れられると良いと思いました。


2019年10月11日(金)、ベルサール御成門タワー(東京:港区)で開催した「Jenkins Day Japan 2019」は、今年も大盛況のうちに終了いたしました。
今回ご参加いただいた方も、今回は都合が合わなかった方も、次の機会には是非ご参加ください!

 

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