DevOps Survey Results:企業がオープンソースソフトウェアのサポートを求める理由


(この記事は、CloudBees社 Blog 「DevOps Survey Results: Why Enterprises Are Demanding Support for Open Source Software」2017年12月29日 Heidi Gilmore 投稿の翻訳記事です。)

CloudBeesはHurwitz and Associatesと共同で、テクノロジー、製造、金融サービス、教育、医療、小売などを含む幅広い業界のIT意思決定者150人を対象とする調査を実施しました。 57%の回答者が従業員数1,000〜5,000人以上の組織に属し、36%が100〜999人の組織に所属していました。回答者の大半は、DevOps担当役員、CEO、業務執行担当VP、開発担当VP、CIO、CTOなどの上級管理職でした。残りの回答者は、開発、ツール、エンジニアリングなどさまざまな分野の管理職でした。すべての回答者が、組織内でオープンソースソフトウェアを使用していると回答しています。挙げられている一般的なオープンソースツールには、Jenkins、Docker、BuildBot、Puppet、Chef、Fabric8があります。ほとんどの回答者はオープンソーステクノロジーのエンタープライズサポート版を使用していると回答しました。50%以上が継続的インテグレーションを全社的に採用しており、ほぼ半数が継続的デリバリープロセスを実施していました。

アンケート結果からは、3 つの重要なメッセージが読み取れます。これらの3つのトピックに関して、3回のブログ記事で概要をご紹介します。この記事は最終回となる第3回です。

  1. 企業が継続的デリバリーを採用する理由
  2. 継続的デリバリーツールの標準化を推進する根拠
  3. 企業がオープンソースソフトウェアのサポートを求める理由(当記事)

どうぞこのシリーズをお楽しみください!

企業がオープンソースソフトウェアのサポートを求めている理由

高度に分散したコンピューティングの世界では、IT組織はビジネスニーズに迅速に対応するためにアプリケーションを迅速に変更する必要があります。競争の激化に伴って、ビジネスリーダーは変化する顧客のニーズやその期待を反映することをアプリケーションに求めます。したがって、ソフトウェア開発者は常に新しいコードを追加し、新しいサービスをアプリケーションに統合する必要があります。より機敏なアプリケーション開発をサポートするために、開発チームの多くは、継続的インテグレーションや継続的デリバリーを採用し、DevOpsへの転換を図っています。DevOpsとは、開発チームと運用チームが連携してプロセスとテクノロジーを実装し、アプリケーションデリバリーライフサイクルの合理化と加速を目指すような文化的な変革を表します。

より応答の早いアプリケーションデリバリープロセスの必要性に迫られ、DevOpsの実践者たちは革新的なオープンソースソフトウェアツールを採用します。これらのオープンソースツールの多くは、最高にクリエイティブなソフトウェア開発者も加わった広範で協調的なコミュニティを持っています。この革新と適応の留まることのない流れによって、オープンソースのツールは開発者にとって最適な選択肢になっています。DevOpsの促進に使用される最も重要なオープンソースツールには、Jenkins、Chef、Puppet、Dockerがあります。

製品版のアプリケーションでもオープンソースの技術が一般的になるにつれて、ITリーダーはエンタープライズレベルの機能とダイレクトなサポートを求めるようになります。

Hurwitz & Associates の DevOps 調査

Hurwitz&Associatesは近頃、動的エンタープライズアプリケーションの開発に直接携わっている150人のIT意思決定者を対象とする調査を実施しました。CloudBeesが後援したこの調査では、どの業界でも、エンタープライズレベルのサポートはオープンソースツールを継続して使用するうえで最も重要な考慮事項であることがわかりました。調査回答者は、金融サービス、製造、小売、医療、政府機関などさまざまな業種にわたり、主に大規模な組織に所属しています。下の図1は、調査に参加した企業の規模を示しています。

図1:調査回答者の企業規模

調査結果

この調査から、オープンソースツールが開発組織の標準となっていることが明らかになりました。Hurwitz&Associatesの調査に参加したほとんどの企業は、エンタープライズアプリケーションの開発とデプロイメントをスピードアップするために、さまざまなオープンソースツールを既に使用していると報告しています。

参加企業の大半はエンタープライズサポートを必要としています。オープンソースのソフトウェアプロジェクトは頻繁に更新され、コミュニティでサポートされていますが、継続的デリバリープロジェクトに変更を適用する場合、「自力で」やろうとすると、高度な技術者が必要となります。対照的に、エンタープライズサポート版は、ソフトウェアともに提供される次のような機能によって差別化が図られています。

  • 保証されたサービスレベル契約(SLA)
  • サポート契約
  • 新しい更新が統合される前のテスト
  • より高いレベルのセキュリティテストとパッチ
  • 企業契約によるアカウンタビリティ

調査参加者には、オープンソースツールのエンタープライズサポート版の購入を選んだ理由を2つ挙げるよう求めました。図2に示すように、多くの組織はオープンソースツールのエンタープライズサポート版を購入しています。なぜなら、オープンソースコミュニティに頼るだけでは得られない予測可能なサービスレベルを担保する必要があるからです。ユーザーがエンタープライズサポートを求める主な理由は次のとおりです。

図2:エンタープライズサポート付きのオープンソースツールを選択する主な要因

  • 回答者の30%以上が、エンタープライズサポート版のオープンソース開発者向けツールを購入する主な動機として、エンタープライズ機能の拡張と専門的なサポートを挙げています。
  • 回答者の25%以上が、運用において問題が発生した場合にベンダー責任を求めていると答えています。企業がミッションクリティカルなアプリケーションのサポートにオープンソースコードを利用するケースが増えるにつれて、ITおよび開発組織は、ツールが徹底的にテストされ、ミッションクリティカルな使用に耐えると証明されていることを要求します。オープンソースツールには、前例のないタイプの問題の解決に役立つ大規模でアクティブなユーザーコミュニティが存在することが珍しくありませんが、多くのIT組織は、ベンダーのサポートグループに問い合わせるほうを望みます。
  • 回答者の30%以上が、DevOpsツールのエンタープライズ版を購入する動機として、より使い勝手が良いことを挙げました。オープンソースのツールの場合、新しいコードを実稼働させる前にアプリケーションの信頼性を保証するために、アプリケーションのテスト/デバッグ手順に慣れている高度に熟練した開発者が必要になることが多くあります。オープンソースツールを使いやすくするために、ベンダーはしばしばビジュアルなコーディングおよびテスト環境を提供します。

結論

オープンソースのソフトウェアは、企業が信頼性に自信を持って大々的に採用するまでに成熟しています。結果として、オープンソースのDevOpsツールは、エンタープライズ規模の負荷に対応する運用レベルのソフトウェアの世界で確固たる地位を築いています。しかし、ミッションクリティカルなアプリケーションやサービスを開発するうえで、オープンソースツールへの依存が増すにつれて、企業の多くは、より優れた品質やエンタープライズ機能、そして「どこか問い合わせできるところ」を提供してくれるエンタープライズサポート版を求めるようになっています。