CloudBees Kubernetesロードマップ:旅の始まり


(この記事は、CloudBees社 Blog 「CloudBees Kubernetes Roadmap: The Journey Starts Today!」2018年2月28日Sacha Labourey 投稿の翻訳記事です。)

今回は、今後数ヶ月にわたって私たちのロードマップとKubernetesへのコミットメントについてお知らせする一連の発表の第1弾となります。

Kubernetesが重要である理由 – Why Kubernetes?

ところで、なぜKubernetesが重要なのでしょうか?

ここ数年で、クラウドとコンテナという2つの現象は、互いを補強しながら驚異的な成長を遂げました。クラウドがスケーラブルかつ即時オンデマンドで利用可能なカスタマイズされたインフラを提供する一方で、コンテナは非常にシンプルかつ軽量な方法でDevとOpsの世界を統一するのに役立つ基本的なブロックを提供します。

しかし、IaaS(Infrastructure as a Service)とコンテナの間にはまだ大きな断絶がありました。IaaSサービスは、従来のコンピュータ、ストレージ、ネットワークといった要素を模倣し、すべてを従来のITの観点で捉えていました。これは最初のイテレーションとしては優れていて、運用チームをかなり楽にしました。しかし、最終的に重要なレベル、つまりアプリケーションレベルに適用することができませんでした。経営層が求めるのは、差別化や価値創造に役立つアプリケーションです。ビジネスの観点から見れば、ネットワーク、コンピュータ、ストレージといったものは必要悪でしかありません。Kubernetesはアプリケーションに関するすべての “North API”(私の個人的な用語)を提供することにより、この分裂を見事に解決します。Kubernetesは、アプリケーションに特化したIaaSとして見ることができます。このNorth APIは開発者にとって理解しやすく、デプロイメントおよび再デプロイメント戦略、冗長性、スケーラビリティなどに関わります。これらはビジネスにダイレクトに適用可能でとても価値のある概念です。

一方、“South API” は、Kubernetesが実際にインフラストラクチャにデプロイされる方法に関わります。たとえば、3大クラウドプロバイダーにとっては、この South APIは多少なりとも他人事ではありません。プロバイダーには、Kubernetesとインフラストラクチャの完全な統合を提供する責任があり、顧客がビジネスに集中できるように、クラスターの動作に関してはなるべく選択の必要性を少なくしなければなりません。Kubernetesのおかげで、ついにDevとOpsの幸せな結びつきが実現しようとしています。これは長い道のりになるでしょうが、目的地は明確です。Kubernetesは新しいプラットフォーム、新しいクラウドOSであり、”アプリケーションのインターネット”です。企業としては、現在起こっていることを無視することはできません。

新しい世界への旅 – A Journey

こうしてCloudBeesは、この現象を完全に受け入れ、企業が新しい時代に参入するのを支援することに決めました。私たちの認識では、ゼロから出発して何の制約もなく新しい時代に入っていくだけの柔軟性を持っている企業もあるでしょうが、ほとんどの企業はそのような状況になく、無視することのできない既存の投資をたくさん抱えているはずです。そのような企業にとって、これは明確に管理しなければならない旅であり、長い間2つの世界に片方ずつ足を置くことになるでしょう。当社の製品、サービス、パートナー戦略は、ベストオブブリードのアプローチを通じて、さまざまなユースケースのすべてを可能にし、それぞれのお客様独自の旅をガイドし、支援することを目指しています。

CloudBeesはCloud Native Computing Foundation (CNCF)に加盟しました

今日の第1弾の発表の1つは、CloudBeesがKubernetesプロジェクトのホームであるCloud Native Computing Foundationに加わったことです。これはKubernetesへのコミットメントと、Kubernetesを中心とするエコシステムにますます貢献していく意向を示しています。

CloudBees Jenkins EnterpriseがKubernetesでネイティブに利用可能に

2番目の発表は、当社の主力製品CloudBees Jenkins EnterpriseがKubernetes上で利用可能になったことです。CloudBees Jenkins EnterpriseはJenkinsをベースにしたプラットフォームであり、エンタープライズ向けに共有および集中管理された継続的インテグレーションおよび継続的デリバリーサービスを提供します。統制品は、完全に自由な方法でチームやプロジェクトを立ち上げ、トレーニングし、測定するための統一された方法を提供します。CloudBees Jenkins Enterpriseの新しくリリースされたバージョンは、Kubernetesとの完全な統合を提供するために根本的に刷新されました(うわべだけの距離を置いた統合ではありません)。私たちは、2018年を通じて、認定を受けた個々の統合について発表していきます。

現在まだKubernetesアプリケーションをデプロイしていない企業も、関心を持つべきでしょうか?間違いなく、そのとおりです。 ここで理解すべき重要なコンセプトは、CloudBees Jenkins EnterpriseはKubernetesデプロイメントに限定されないということです。むしろ、CloudBees Jenkins EnterpriseはKubernetesインフラストラクチャを利用して、DevOpsエンジニアに継続的インテグレーションと継続的デプロイメントサービスを提供します。CloudBees Jenkins Enterpriseのほとんどのユーザーは、Kubernetes上で実行されていると意識することなく、従来のサーバーでの古典的な.NetまたはJavaの継続的インテグレーション/継続的デリバリーを行うのにも使用できますが、それでも、Kubernetesデプロイメントのスピードと弾力性の恩恵を受けることができます。

では、ユーザーがKubernetesの基盤インフラを必ずしも意識する必要がないのに、企業が関心を持つべきだというのはなぜでしょうか?企業が注目するべき理由はいくつかあります。

  • まず、多くの企業がすでにKubernetes戦略に着手し、オンプレミス(たとえばRed Hat OpenShiftを導入)またはクラウド(Google Cloudにネイティブにデプロイするか、将来的にAWSやMicrosoft Azureから提供される予定のネイティブサービスへのデプロイを計画)での導入を開始しています。そういった組織は、99%以上のアプリケーションを従来型のITレイヤーで開発し、デプロイしているため、Kubernetesだけの世界に移行するには時間がかかることは認識しています。それでも彼らは、しかるべきレベルの知識を集積するため、今すぐ「新しいKubernetes力を鍛える」ことに着手する必要があります。このような状況において、CloudBees Jenkins Enterpriseは、既存の投資を活用しながら「Kubernetes力をつける」という素晴らしい可能性を提供します。当社のプラットフォームは、Kubernetesとのベストオブブリードのインテグレーションを提供し、お客様のKubernetesに対する投資を有効にするとともに、すみやかなROIをもたらします。
  • 第2に、Kubernetesにまだ大きな投資をしていないのなら、ここから始めるのが最適です!CloudBees Jenkins EnterpriseをKubernetes上にデプロイすることは、従来の世界と次世代のクラウドネイティブな世界の両方で、継続的インテグレーションと継続的デリバリーサービスを開始する準備ができていることを意味します。継続的インテグレーションと継続的デリバリーは、組織全体で作り上げる必要がある〈プラクティス〉です。チームを立ち上げ、トレーニングし、測定する方法は1つであることが望ましいでしょう。究極的には、チームが従事しているのがモバイル開発だろうと、バックエンド、Webフロントエンド、あるいはIoTだろうと気にする必要はありません。企業として、新しいチームメンバーを配備し、必要があれば別のチームに移動させ、ベストオブブリードのサービスを提供し、全体的な開発の速度を測定して、より多くの価値を開拓できる場所を見極めることができます。継続的インテグレーションおよび継続的デリバリーサービスをKubernetesにデプロイすることで、従来型の開発に携わるメンバーも、新しい手法に従うメンバーも、すべての関係者に適切な手段を提供できるようになります。

(余談ですが、Kubernetesに投資しておらず、その意図もない場合も問題ありません。CloudBeesには、そのようなニーズを満たすソリューションもあります。)

これから – The Future

今や私たちのDNAの重要な一部であるKubernetesの広範な戦略に関連して、この先数週間、数ヶ月の間に、さらにいくつか発表を行う予定です。今日のところは詳細は省きますが、新しいKubernetesネイティブの継続的デリバリーソリューションの開発がすでに相当進んでいることはお伝えできます。これを実現するために、私たちはJames Strachan、James Rawlings、Robert Daviesをはじめとするスター開発者を集めたチームを結成しました。このエリートチームは、Groovy言語、ActiveMQ(最近、AWS公式のサービスAmazon MQとしてリリースされました)、Apache Camel / ServiceMix、そして最近ではfabric8といった、業界で最も成功したオープンソースプロジェクトを支えてきました。私たちの目標は、単にKubernetesアプリケーションのための最高の継続的デリバリーソリューション(つまり、Kubernetes上で動作するだけではなく、実際にKubernetesネイティブアプリケーションをKubernetesクラスター上にデプロイする)を提供することではありません。そのうえに、非常に重要なポイントとして、新しいソリューションは完全にCloudBees Jenkins Enterpriseと適合します。つまり、共有され、中央管理された継続的デリバリーサービスとともに、Kubernetes上で開発し、Kubernetesにデプロイするためのベストオブブリードの拡張を実現できるのです。

ユニークな継続的インテグレーション/継続的プロバイダーCloudBees

オンプレミスからクラウド、SaaS(Software as a Service)、ソフトウェアディストリビューションまで、また極小、中小規模のチーム(Codeship by CloudBeesのターゲット)から大規模組織や超大規模組織(CloudBees Jenkins Enterpriseのターゲット)までに継続的インテグレーション/継続的デリバリープラットフォームサービスを提供できる企業は、事実上CloudBeesだけです。すべてを1つの傘の下に収め、CloudBees DevOpticsを通じて測定し、最適化することができます。

今こそチームを強化し、ビジネスにより大きな価値をもたらせるよう支援するべき時です。

前へ進め

Sacha