Jenkins Day Japan 2021 開催レポート


Jenkins Day Japan 2021 | テクマトリックス株式会社

ご参加いただきありがとうございました。
次回に向けた企画も始動、お楽しみに!

本ブログでは5回目の開催となる「Jenkins Day Japan 2021」開催レポートをお届けします。

新型コロナウィルスの感染リスクを踏まえ、前回に続きオンライン開催となりました。今回のテーマは「CI/CD、DevOps、DevSecOps」。Jenkins活用事例の紹介に限らず、「CI/CD」「DevOps」に取り組まれている方々にご講演いただきました。毎回、多彩なゲストをお迎えしておりますが、本レポートでは招待講演を中心に紹介いたします。

「Jenkins」の商標、ならびに「Jenkins Day Japan」のイベント名称は、Jenkinsコミュニティの許可を得て使用しています。


【講師】

川口 耕介 氏 (Kohsuke Kawaguchi)

Launchable, Inc.
CEO
https://www.launchableinc.com/

【経歴】
米国Sun MicrosystemsにてJavaEEの開発に携わった後、オープンソースのCI/CDサーバJenkins及びそのコミュニティを作る。2010年よりCloudBeesにてJenkinsを事業化、CTOとして400人規模の会社へと成長させる一翼を担う。CloudBees、GoogleやNetflixなどがLinux財団と設立したContinuous Delivery Foundation にて技術監督委員会の委員長。2020年よりLaunchable co-CEOとして開発者の生産性への更なる取り組みを進める。楽天テクノロジーアワード、日米韓オープンソースアワード貢献者賞、O’Reilly オープンソースアワード、未踏ユース・スーパークリエイター賞。

【セミナータイトル】

Flaky test対策の最新動向

【講演概要】
flakyなテストは、根絶できない疫病のように昔から開発者をずっと悩ませ続けてきました。皆さんの開発チームでも、目にはついていなくても、flakyなテストがイライラを引き起こしたり、プルリクエストを失敗させたり、ホットフィックスの開発にストレスを上乗せしたり、必ずしているはずです。
この問題に世界中の技術者達がどのように立ち向かってきたのか、Jenkinsの生みの親として知られる川口が紹介します。ユニコーン会社からもっと身近な等身大の会社まで、どういった取り組みが効果を上げてきたのか、GoogleやGitHubを例にご紹介します。皆さんの会社での取り組みにもきっと役に立つはず!

【レポート】
コードもテストも変更していないのにテスト結果が安定しないという経験は誰にでもあるのではないでしょうか。些細な問題に見えますが、本当は同時実行性に関する重大な問題が隠れているかもしれません。この不安定なテストは世界中のソフトウェアエンジニアが遭遇していて、Googleのエンジニアリングチームであっても例外ではありません。川口様は不安定なテストを壊れた非常ベルのようなものと例えます。これが続くとテストの失敗に誰も注意を払わなくなるので、ソフトウェア品質保証につながるプロセス全体の信頼が棄損されてしまうと言います。講演では、この問題に対して多くの企業がどのように対処してきたのか、豊富な事例を共有してくださいました。いずれの有名企業もどのテストを不安定なものとして分類し、どう取り扱うべきかに腐心しており、多くの知見が得られます。不安定なテストでビルドを止めないためには、任意のコミットに対して任意のテストを実行する能力が重要であり、このことは川口様がLaunchableで取り組んでおられるテーマとつながります。名だたる企業のテストに対する取り組みを知りたい方には必聴セッションです。


【講師】

井口 恒志 氏

株式会社ディー・エヌ・エー
システム本部 品質統括部 品質管理部 SWET第二グループ
https://dena.com/jp/

【経歴】
SIerにてロボット関連のシステム開発やWebサービス開発の経験を経て、2017年より現職である株式会社ディー・エヌ・エー へ入社。入社以来、SWETグループにて、自動テストの開発・運用、CI/CDの活用促進、運用や関連技術の調査を担当。近年ではスマートフォン向けゲームの開発案件にてJenkinsを有効的に活用可能なように技術的サポート、ツール開発やメンテナンスを担当。社外ではCircleCI Japan User Group Community Leaders の一員としても活動中。

【セミナータイトル】

Jenkins Pipeline での Shared Libraries の活用

【講演概要】
Jenkins Pipeline を作成していく中で、特定の Pipeline のみではなく共通で利用可能な処理を複数の Pipeline で記載することが多くあると思います。この共通で利用可能な処理を Pipeline とは切り離して定義する仕組みとしてJenkins には Shared Libraries が存在します。この機能を活用して共通処理をまとめて定義することで、再利用性が向上するだけでなく、Pipeline そのもののメンテナンス性も向上すると思います。
この講演では Shared Libraies に関してJenkins Plugin との違いにも触れつつ特徴を紹介します。そして実際に弊社内でどのように活用しているかの事例もご紹介させていただきます。

【レポート】
DeNA様にはSWET(Software Engineer in Test)グループがあり、DeNAサービスの品質向上、DeNAエンジニアの生産性向上に取り組んでおられます。井口様はSWETグループのプロセスチームに所属し、たとえばJenkins運用コストを削減するための取り組みなどに従事されています。ご講演ではJenkinsのShared Librariesという仕組みを活用して、パイプラインの保守性、再利用性をあげる試みについてお話くださいました。Jenkinsfileを用いたパイプライン定義はスクリプトを記述することで、開発環境ごとに異なるビルドツールや成果物の取り回しなどを柔軟に行うことができます。その一方で複数のパイプラインで重複した処理を記述してしまい、保守性の低下を招くこともあります。そこで井口様は、パイプライン内の重複コードを外部定義、つまりライブラリ化して、保守性、再利用性をあげることを試みました。今回はどのようにこれを実現したのか、どのような場面でライブラリ化が効果を発揮するのかといった点まで、詳しくお話くださいました。


【講師】

木内 陽大 氏

東京大学大学院 修士1年

【経歴】
Google Summer of Code 2021 @ Jenkins

【セミナータイトル】

OpenTelemetry による Jenkins の監視

【講演概要】
私は今期の Google Summer of Code に参加し、3ヶ月の間  Jenkins エージェントの監視をOpenTelemetryで実現する、というテーマで調査と実装を行なってきました。
OpenTelemetry は ベンダーに依存しない統一的な形式での監視、ログ・メトリックス・APMデータの収集を実現するための新しいモニタリングフレームワークです。
Jenkins では Jenkins 管理者 がトラブルシューティングやCDパイプラインの最適化を行う手助けをするため、さまざまな取り組みが行われてきましたが、このセッションではその中でも特に、Jenkins Community で行われている Jenkins × OpenTelemetry の取り組みと、自分が行なってきた取り組み、また Jenkins Community に参加した経験などをお話できればと思います。

【レポート】
木内様は2021年のGoogle Summer of Code に参加されました。ご講演では参加の経緯やご経験されたことを共有いただきました。前提となるOpenTelemetryとはなにか、なぜこの技術に注目するのかといった背景も解説してくださいました。OpenTelemetryは、分散システムへオブザーバビリティをもたらすフレームワークですが、木内様の試みは、このOpenTelemetryをCI/CDプラットフォームで活用しようというものです。JenkinsをはじめとするCI/CDプラットフォームは、種々のビルドツール、外部サービス連携やエージェントの動的スケールといった機能をもっていることから、それ自身の安定稼働が大変重要です。OpenTelemetryを使って監視・オブザーバビリティをCI/CDに導入する Jenkins OpenTelemetry Pluginもあります。木内様はJenkinsエージェントの監視をOpenTelemetryで実現する、というテーマで Google Summer of Code に取り組みました。活動を通して Jenkins Community に参加したさいの貴重なご経験についてもお話しされており、とても興味深い講演となりました。


【講師】

金谷 敦志 氏

株式会社MonotaRO
ECシステムエンジニアリング部門 EC開発-E グループ
https://www.monotaro.com/

【経歴】
検索エンジンパッケージソフト開発、ソーシャルメディア向けマーケティングサービス開発を経て2014年にMonotaROに入社。モノタロウのECサイト開発とDevOps普及活動を行い、現在はエンジニアリングマネージャーとしてエンジニアの成長支援を行う。現職は3社目だが3社すべてでJenkins導入に関わっており、今も片手間でJenkinsを運用し続けている。

【セミナータイトル】

モノタロウの開発・リリースサイクルを支えるJenkinsの活用事例

【講演概要】
毎年売上20%の成長を継続しているモノタロウでは、2016年にJenkinsを導入し、今日まで運用を続けています。
ビジネスの成長に伴いシステムも複雑化していく中でも、Jenkinsを有効活用することで継続的に開発とリリースのサイクルを回し続けています。
開発とリリースのそれぞれについて、モノタロウはJenkinsを有効活用しているか、実例ベースで紹介します。

【レポート】
ビジネスと組織の成長のためには「脱・人力」が必要という考えのもと、2016年にJenkinsを導入されました。Jenkins活用によりエンジニア組織の成長も実現したとのことで、その実際をお話いただきました。CMでおなじみですが、モノタロウ様が扱う間接資材とはなにかといった解説もしてくださいました。これまでの資材購買における問題点が明らかになると、モノタロウ様が業界に与えたインパクト、ECサイトの開発とリリースが重要な理由がよくわかります。Jenkins導入当時は開発、リリースそれぞれに課題を抱える一方、ビジネスの成長に伴うシステムのスケールも求められていました。この解決にあたりJenkinsによる自動化がカギとなりました。コンテナを活用し自動化されたテスト環境は通常開発と並行した大規模変更を可能にし、リリースプロセスの自動化は失敗時のリカバリ時間短縮やリリース回数増加に寄与したそうです。その後も工夫を加えながら継続的に開発とリリースのサイクルを回し続けています。講演ではJenkinsをどのように活用して問題解決を図ったのかを詳しくお話いただきました。


<<さいごに>>

前回は弊社会議室に特設スタジオを構え、準備・リハーサルも慌ただしく実施した記憶があります。今年はなんと常設スタジオ(前回とは格段にレベルアップした環境)から配信したのですが、皆様にはどのように届いたでしょうか。おかげさまで大きなトラブルは起きませんでしたが、これには計画の不備や当日トラブルに気づかせてくれたリハーサルの役割が大きかったなと強く思います。次回も安定したイベント運営に注力したいと思います。配信についての皆様からのご意見、リクエストをお待ちしています。それではまたお会いしましょう!


<<開催概要>>

会期:2021年 12月10日(金)|10:00-18:00|オンライン

名称 Jenkins Day Japan 2021
開催日時 2021年12月10日(金) 10時00分~18時00分 
開催場所 オンライン(Zoom利用)
お申し込み 事前登録制
※同業他社および当社の競合企業にあたる企業の方のお申し込みは、ご遠慮いただく場合がございます。
※セミナーの内容は変更になる場合があります。ご了承をお願いいたします。
参加方法 事前申し込みフォームから登録をお願いいたします。登録後の自動返信メールは行っておりません。
後日、Zoomのログイン先をメールでご連絡いたします
11月中頃に、お申し込みいただいた方に、Jenkinsイベント窓口[Cloudbees Information]よりご連絡いたします。
参加費 無料
定員 500名
主催 テクマトリックス株式会社
対象者 ・Jenkinsをこれから利用、または利用し始めの方
・継続的インテグレーション/継続的デリバリーの導入に取り組んでいる方
・ソフトウェア開発の効率化をお考えの方
特典 アンケートをご回答していただいた方を対象
・抽選で100名様にamazonギフト券500円のプレゼント。Amazonギフト券番号をメールにてご連絡いたします。
個人情報のお取り扱いについて お申込みいただきました個人情報は、主催企業であるテクマトリックス株式会社と、テクマトリックスグループで取得し、イベント参加申し込みを適切に受け付けて管理します。
ご入力いただいた個人情報は、製品・サービスの案内・提供・保守、各種セミナーの案内、各種アンケート、採用の募集を実施するために必要な範囲内で利用することがあります。当社の“個人情報保護方針”の詳細については、個人情報保護方針のページをご参照ください。
お問い合わせ テクマトリックス株式会社 ソフトウェアエンジニアリング事業部
TEL:03-4405-7853

 


会期:2021年 12月10日(金)

※セミナーの内容、スケジュールは変更になる場合があります。

 

時間割 区分 セミナータイトル・項目 講師
10:00-10:05 - 開始:挨拶 テクマトリックス株式会社
10:05-10:25 A-1 オープニング A-1 テクマトリックス株式会社
10:25-10:30 - 休憩 -
10:30-11:10 A-2 招待講演 A-2
Flaky test対策の最新動向
川口 耕介 氏
Launchable, Inc.
11:10-11:15 - 休憩 -
11:15-11:35 B-1 スポンサー講演B-1
CI/CD、Docker、Gitを活用した次世代の開発ワークフローへ
テクマトリックス株式会社
藤澤 克貴
11:35-11:40 - 休憩 -
11:40-12:00 B-2 スポンサー講演B-2
オープンソースのセキュリティ管理とガバナンスを自動化~Snyk Open Sourceで実現するdevelop fast & stay secure~
テクマトリックス株式会社
西尾 好正
12:00-13:05 - 昼休憩 -
13:05-13:45 A-3 招待講演 A-3
Jenkins Pipeline での Shared Libraries の活用
株式会社ディー・エヌ・エー
井口 恒志  氏
13:45-13:55 - 休憩 -
13:55-14:25 A-4 主催者講演 A-4
モノリスJenkinsがあなたのCI/CDを遅くする
~Jenkinsコントローラーの分割によるパフォーマンスの向上~
テクマトリックス株式会社
橘 祐史
14:25-14:35 - 休憩 -
14:35-15:15 A-5 招待講演A-5
OpenTelemetry による Jenkins の監視
東京大学大学院 修士1年
木内 陽大 氏
15:15-15:25 - 休憩 -
15:25-16:05 A-6 招待講演A-6
モノタロウの開発・リリースサイクルを支えるJenkinsの活用事例
株式会社MonotaRO
金谷 敦志 氏
16:05-16:15 - 休憩 -
16:15-16:35 B-3 スポンサー講演 B-3
JenkinsとNGINXを使った効率的なアプリケーション通信の制御
テクマトリックス株式会社
鈴木航平、島田大輔
16:35-16:55 B-4 スポンサー講演 B-4
多次元的解釈によるDevOpsのRe:Definition
株式会社カサレアル
植草 克友 氏
16:55-17:00 - 休憩 -
17:00-17:40 A-7 招待講演 A-7
CloudBees CI : Jenkinsを企業規模で活用するには?
CloudBees Inc
Doug Tidwell 氏
17:40-17:50 - 全体のQ&A+閉会挨拶 -
18:00 - 閉会 -

 


<<関連製品情報>>

CloudBees Core

CloudBees CIは、OSSのJenkinsを拡張した継続的インテグレーション/継続的デリバリーのプラットフォームです。Jenkinsの管理のしやすさとセキュリティを拡張するためのエンタープライズ機能を提供します。また、専門知識を持つJenkinsエキスパートが、チーム・プロジェクトにおけるJenkinsの有効利用をサポートします。

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