Jenkins Day Japan 2024 開催レポート


2024年2月2日(金)に開催した「Jenkins Day Japan 2024」は、今年も大盛況のうちに終了いたしました。
ご参加された方、ありがとうございました。

本ブログでは、7回目の開催となる「Jenkins Day Japan 2024」開催レポートをお届けします。

前回に続き、オンラインでの開催を実施しました。「CI/CD、DevOps、DevSecOps」をテーマにJenkins活用事例の紹介に限らず、「CI/CD」「DevOps」に取り組まれている方々にご講演いただきました。毎回、多彩なゲストをお迎えしておりますが、本レポートでは招待講演を中心に紹介いたします。

また、Jenkins Day Japan 2024の講演資料とオンデマンド配信のご案内をいたします。
ソフトウェア開発効率化に向けた各社の取り組みを知ることができる機会となっていますので、ぜひお申込みください。

「Jenkins」の商標、ならびに「Jenkins Day Japan」のイベント名称は、Jenkinsコミュニティの許可を得て使用しています。


<<招待講演>>

CI/CDの未来:テスト編

#大規模開発 #テストに対する考え方 #新しい技術

【講演概要】
ソフトウェア開発を加速する取り組みは世界中でずっと続いています。中でも、自動化されたテストをどのように活用していくのかは、大規模ソフトウェア開発の速度を加速・維持する上では重要な役割を担っています。
本発表では、海外におけるテスト周辺で起こっている最新の事情・動き・流れを紹介します。


【講師】

川口 耕介 氏 (Kohsuke Kawaguchi)

Launchable, Inc.
CEO

【経歴】
米国Sun MicrosystemsにてJavaEEの開発に携わった後、オープンソースのCI/CDサーバJenkins及びそのコミュニティを作る。2010年よりCloudBeesにてJenkinsを事業化、CTOとして400人規模の会社へと成長させる一翼を担う。CloudBees、GoogleやNetflixなどがLinux財団と設立したContinuous Delivery Foundation にて技術監督委員会の委員長。2020年よりLaunchable co-CEOとして開発者の生産性への更なる取り組みを進める。楽天テクノロジーアワード、日米韓オープンソースアワード貢献者賞、O’Reilly オープンソースアワード、未踏ユース・スーパークリエイター賞。

【レポート】
主に米国およびヨーロッパで活躍されている川口様からは、私たちが普段知る機会のない情報を数多く展開していただきました。
テスト資産が少ない製品に対するソリューションとしてローコード/ノーコードのテストツールを取り上げるところから始まりから、反対に既存のコードの積み上がりとそれをテストする大量のレガシーなテストがあるという状況における課題と解決策を数多く例示していただきました。
またバグに代表されるリスクについて、リスクを排除する方向だけでなく、リスクを管理する方向で問題に対処するというお話もいただきました。リスクをいかに認知して低減するか、リスクが顕在化した場合にどのようにリカバリーしていくかを考えていくことが大事だと気付きを与えていただきました。
テストをあらゆるフェーズに分散させることや、品質を犠牲にすることなくいかにテストを頻繁に実行するか、AIを活用したテストの可能性など、多岐にわたり示唆に富む貴重なお話でした。

プライベートクラウドにおけるCI/CDサービス運用の裏側

#CI/CDプラットフォーム #Jenkins環境の変遷 #課題と対策

【講演概要】
楽天グループは当初からオンプレ環境でサービスを運用しています。しかし、サービスが成長するにつれチケットでのインフラ作業依頼がボトルネックになりがちでした。この問題に対処するため、プライベートクラウドプロジェクトが立ち上がり、私のチームはCI/CDサービスを提供する事になりました。本講演ではCI/CDサービスとしてJenkinsがどのように活用されているか、またどのような問題に遭遇し解決してきたかを紹介します。


【講師】

滝澤 武 氏 (Takeshi Takizawa)

楽天グループ株式会社

クラウドサービス部 CI/CDプラットフォームグループ

【経歴】
2010年入社。アプリエンジニアとしてサービス開発に従事するうちにDevOpsに興味をもち、アプリチーム内のDevOps担当を経てインフラエンジニアに転身、現在はCI/CDサービスを提供するチームのテックリードを担当。

【レポート】
楽天グループ株式会社の滝澤様からは、オンプレミス環境にてどのようにJenkinsを使ってきたか、そして今後どのようなCI/CD環境を構築しようとされているのか、その努力の痕跡を共有いただきました。
Webエンジニアとして運用されていたセルフマネージドJenkinsから、Kubernetesを利用したJenkinsの水平分割に至るまでのJenkins環境の来歴、それぞれのJenkinsの構成やメリット/デメリット、どのような環境にいる方に向いているか、いくつかの問題に対処するためのJenkinsの設定などを紹介いただき、非常に勉強になるセッションでした。
またQ&Aにおいて、SaaS型のCI/CDサービスが登場してきている昨今においてもJenkinsを利用することの意義を共有いただいたことが大変印象的でした。自社の環境・状況にマッチしているのであればJenkinsを使う意味がある、最初のCI/CDとしてJenkinsに取り掛かる価値があると認識することができました。

成功するソフトウェアファクトリーの裏側

#大規模開発 #CI/CDプラットフォーム

【講演概要】
ソフトウェアファクトリーとは、ソフトウェアの製造と配信を迅速化するソフトウェア資産、ツール、プロセスの組織化された集合体です。良いソフトウェアファクトリーには、常にデプロイ可能なソフトウェアを提供するために、プロセス、ツール、人々を結びつける自動化が必要です。このアプローチの一般的な用語としてはDevSecOpsがあります。私たちは、DevSecOpsの品質、セキュリティ、速度の向上とソフトウェアデリバリーに関するいくつかのベストプラクティスが登場しているのを見てきました。このセッションでは、ソフトウェアファクトリーによって推進される5つの主要戦略を見ていきます。


【講師】

Bryan Guinn 氏

CloudBees, Inc.
Air Force and Space Force Lead

本講演は、CloudBees社のウェブサイトに掲載されたものを配信します。
cloudbees.com.

【レポート】
CloudBees社のBryan Guinn様からは、今日の企業の課題として、顧客の要求に素早く応えながら最高のエクスペリエンスを提供できるソリューションを開発する必要があり、組織の運用と戦略を支援するソフトウェアファクトリーの重要性と主要戦略を講演いただきました。
ソフトウェアファクトリーによって推進されるソリューション開発の主要戦略として、GitOps、サプライチェーンのセキュリティ、リリースプロセスの自動化、メトリクスとバリューストリーム、そしてこれらをITモダナイゼーションやデジタルトランスフォーメーションにどのように組み込むかを挙げ、その意義やベストプラクティス、さらにCloudBees社が直接関わっている米国国防総省におけるソフトウェアファクトリーの事例を紹介いただきました。
国防総省という大規模な組織におけるソフトウェア開発プロセスが幅広く取り上げられた一方、CI/CDの実践のための前提条件にも言及されるなど、CI/CDをこれから始める方にもすでに実践されている方にも参考となる情報が詰められたセッションでした。

パワートレイン制御ソフトウェア開発における
継続的インテグレーションの取り組みの紹介

#自動車業界 #Jenkins導入事例 #課題と対策


【講師】

太田 薫 氏 (Kaoru Ota)

マツダ株式会社

PT制御システム開発部

【経歴】
2003年、松下電器産業株式会社(現・パナソニック株式会社)に入社。プロ用放送機器の信号処理回路の設計業務を担当。
2012年、日本アルテラ株式会社(現・インテル株式会社)に入社。FPGAのフィールド・アプリケーション・エンジニアとして従事。
2015年、マツダ株式会社に入社。2020年から現在に至るまで、CIシステムの開発と導入業務を担当している。

【レポート】
マツダ株式会社の太田様からは、自動車という分野でJenkinsを利用したCIシステムの開発と導入のプロジェクトについて、プロジェクトの経緯や成功した点・失敗した点などを共有いただきました。
水平分業やモデルベース開発など自動車のパワートレイン特有の開発の難しさがある中、常に結合可能な状態を保ち、即座にテスト・評価できる環境が必要との意識から、CIを用いた問題解決への挑戦を開始されました。そして、Jenkinsを単に選定・利用しただけに留まらず、チームメンバーのコミュニケーションの工夫、自分たちに必要な機能の開発、外部のコンサルタントの活用などにより、開発プロセスの大幅な効率化を達成され、CI導入前の困り事を見事に解決されました。
発表後のQ&Aでは大変多くの質問をいただき、太田様にはその場でご回答いただきました。参加者の皆様からのご関心も非常に高い素晴らしいセッションでした。

<<さいごに>>

今年度もさまざまな業界から多彩なゲストをお招きし、CI/CD、DevOps、DevSecOpsに関する大変貴重な取り組みをお話いただきました。
引き続き、本イベントなどを通して、CI/CD、DevOps、DevSecOpsに関する情報を発信していきたいと思います。


<<開催概要>>

会期:2024年 2月2日(金)10時~17時30分

 

時間割 区分 セミナータイトル・項目 講師
10:00-10:10 - 開始挨拶/オープニングトーク テクマトリックス株式会社
10:10-10:50 A-1 主催者講演 A-1
Jenkinsの近況とモダンな技術を活用したCI環境構築手法の紹介
 テクマトリックス株式会社
長久保 篤
10:50-10:55 - 休憩 -
10:55-11:15 B-1 スポンサー講演 B-1
サイバーセキュリティリスク対策で求められるSBOMとは? CI/CDに統合可能なSBOM作成支援ツールの紹介
テクマトリックス株式会社
西尾 好正
11:15-11:20 - 休憩 -
11:20-12:00 A-2 招待講演 A-2
CI/CDの未来:テスト編
Launchable, Inc.
川口 耕介 氏
12:00-13:00 - 昼休憩(1時間) -
13:00-13:40 A-3 招待講演 A-3
プライベートクラウドにおけるCI/CDサービス運用の裏側
楽天グループ株式会社
滝澤 武 氏
13:40-13:45 - 休憩 -
13:45-14:05 B-2 スポンサー講演 B-2
DXに必要不可欠なクラウドネイティブ内製化支援サービス:テクマトリックスNEO
テクマトリックス株式会社
鈴木 航平
14:05-14:10 - 休憩 -
14:10-14:50 A-4 主催者講演 A-4
モノリスJenkinsと野良Jenkinsの議論に終止符
さらに進化した高可用性で実現するCloduBees CIによるJenkins運用
テクマトリックス株式会社
橘 祐史
14:50-15:00 - 休憩(10分) -
15:00-15:20 B-3 スポンサー講演 B-3
CIのフィードバックを早くするために必要なテストだけを実行する方法
テクマトリックス株式会社
天久 慎介
15:20-15:25 - 休憩 -
15:25-16:05 A-5 招待講演 A-5
成功するソフトウェアファクトリーの裏側
CloudBees.inc
Bryan Guinn 氏
16:05-16:10 - 休憩 -
16:10-16:30 B-4 スポンサー講演 B-4
ファジングテストをCI/CDパイプラインに統合!バグ・脆弱性検出とテストカバレッジの最大化
テクマトリックス株式会社
杉田 翔
16:30-16:35 - 休憩 -
16:35-17:15 A-6 招待講演 A-6
パワートレイン制御ソフトウェア開発における継続的インテグレーションの取り組みの紹介
マツダ株式会社
太田 薫 氏
17:15-17:30 - 全体のQ&A+閉会挨拶 -
17:30 - 閉会 -

 

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