2025年9月5日(金)に開催した「Jenkins Day Japan 2025」は、今年も大盛況のうちに終了いたしました。
ご参加された方、ありがとうございました。
本ブログでは、8回目の開催となる「Jenkins Day Japan 2025」開催レポートをお届けします。
前回に続き、オンラインでの開催を実施しました。「CI/CD、DevOps、DevSecOps」をテーマにJenkins活用事例の紹介に限らず、「CI/CD」「DevOps」に取り組まれている方々にご講演いただきました。毎回、多彩なゲストをお迎えしておりますが、本レポートでは招待講演を中心に紹介いたします。
また、Jenkins Day Japan 2025の講演資料とオンデマンド配信のご案内をいたします。
ソフトウェア開発効率化に向けた各社の取り組みを知ることができる機会となっていますので、ぜひお申込みください。
「Jenkins」の商標、ならびに「Jenkins Day Japan」のイベント名称は、Jenkinsコミュニティの許可を得て使用しています。

<<招待講演>>

シマノの製品開発を支えるCI環境構築事例
【講演概要】
近年、組み込みソフトウェアの開発現場では、機能の高度化に加え、ネットワーク接続やセキュリティ対応の必要性が高まり、ソフトウェアの複雑化とともに開発規模も拡大しています。こうした背景から、CI(継続的インテグレーション)環境の導入が多くの現場で進められています。
本セッションでは、株式会社シマノにおけるCI環境の再構築事例をご紹介します。従来の単一ビルド向けCI環境では対応が難しくなった多様な開発ニーズに対し、どのようにCI環境を刷新し、柔軟性と拡張性を実現したのか。導入の背景、取り組み時の課題、そして得られた成果について、具体的な事例を交えて解説します。
【講師】
内川 慎一 氏
株式会社シマノ
技術開発部 システム開発チーム システム開発1課 課長
【経歴】
2000年にカメラ・事務機器メーカーへ新卒入社し、複合機のファームウェア開発に従事。
2022年には株式会社シマノに入社し、自転車用電動コンポーネントのファームウェア開発を担当。
開発業務と並行して、ソフトウェア開発環境の整備を推進。
株式会社シマノの内川様からは、同社におけるCI環境の再構築事例が紹介されました。
一度構築したCI環境の課題や、多様な開発ニーズに対応するための柔軟性と拡張性を重視したアーキテクチャの選定、チーム間での設定共有の実現方法まで、具体的な構成図や設定例とともに解説いただきました。
導入初期に直面したトラブルやチームメンバーへの教育の工夫など、成功事例の裏にある現実的な課題とその解決策や、CI環境の改善前と改善後で実際に何が変化し、どういった効果があったかという成果も示され、体験談を元にした非常に学びの多い内容でした。
既存のCI環境に限界を感じている開発リーダーや、組み込み開発でのCI導入を検討しているマネージャーにとって、実践的な知見が得られる貴重なセッションでした。


Achieve Zero Downtime Jenkins with CloudBees CI (CloudBees CIでダウンタイムのないJenkins環境を実現する)
【講演概要】
CloudBees CIがいかにゼロダウンタイムや最適化されたパフォーマンスを実現し、Jenkins環境に革命を起こすかをご説明します。継続的な運用や最大効率を確保するための、高可用性を実現する構成やコントローラーのフェールオーバー、ローリング再起動、ローリングアップグレード、ワークロードに基づく自動スケーリングなどについてご紹介します。
【講師】
Bill Garrett 氏
CloudBees
Principal, Sales Engineer
本講演は、CloudBees社のイベントでの講演を配信します。
cloudbees.com.
CloudBees CIは、 OSSのJenkinsをベースに、複数のJenkinsの管理・監視・安定性などエンタープライズ機能を提供するCI/CDプラットフォームです。
CloudBees社のBill Garrett様からは、そのCloudBees CIを活用してゼロダウンタイムを実現する具体的な手法が紹介されました。
高可用性を実現する構成設計から、コントローラーのフェールオーバー機構、ローリング再起動やローリングアップグレードといった運用時の実践的なテクニックまで、包括的に解説されてました。
従来のJenkins環境では計画的なメンテナンス時間の確保が必須でしたが、CloudBees CIによってダウンタイムのない継続的な運用が可能となり、開発フローを止めることなくシステムの更新や改善を進められるようになります。
大規模なJenkins環境を運用している企業や、CI/CDの可用性向上を目指すインフラ担当者にとって、実践的な知見が得られる貴重な内容となりました。


How to Build Apple Vision Pro Apps and Games with Unity and Jenkins on AWS (UnityとJenkinsを利用し、AWS上でApple Vision Proアプリやゲームを構築する方法)
【講演概要】
Apple Vision ProはAppleが「空間コンピューティング」と呼ぶ業界における大きな進歩です。
数千の開発者がUnityを利用してApple Vision Pro向けの空間アプリケーションを構築するためのツールキットの作成に参加しています。
本セッションでは、お客様がUnityとJenkinsを使用してAWS上で柔軟性のある、スケーラブルで安全なアプリケーションビルドパイプラインを、Vison ProあるいはiOS、macOS、iPadOS、watchOS、tvOS、safariなどのAppleプラットフォーム向けに確立した方法を説明します。
ソースコード、アプリのビルド、テスト、リリースがすべて1つの環境に配置され、容易に統合、自動化される効率的なパイプライン構築の方法について学ぶことができます。
【講師】
Sergey Kurson 氏
AWS
Principal Solutions Architect
Masashi Tomooka 氏
AWS
Senior Prototyping Engineer
本講演は、CloudBees社のイベントでの講演を配信します。
cloudbees.com.
AWS社のSergey Kurson様、そしてMasashi Tomooka様からは、UnityとJenkinsを組み合わせ、AWS上で柔軟性とスケーラビリティを備えた安全なアプリケーションビルドパイプラインを構築した実例を紹介していただきました。
Jenkinsは長期間利用されているツールであることから、“古い”というイメージを持つ方も少なくありません。
そんなJenkinsを用いて、UnityやVision Proだけでなく、iOS、macOS、iPadOS、watchOS、tvOS、Safariといった幅広いAppleエコシステムを対象とし、本事例ではソースコード管理からアプリのビルド、テスト、リリースまでのすべてのプロセスを単一の環境に統合し、自動化を実現している環境を紹介いただきました。
また、クラウドベースのインフラの活用や、必要なタイミングで必要なリソースを確保し、チーム全体で一貫した開発環境を共有できる点など、効率的なCI/CD環境構築を目指すチームにとって、実践的な指針となる内容でした。
<<さいごに>>
今年度もさまざまな業界から多彩なゲストをお招きし、CI/CD、DevOps、DevSecOpsに関する大変貴重な取り組みをお話いただきました。
それ以外にも、最近のJenkins界隈の情勢や、CIに組み込んだ際のより効率的なツールの運用など、CIに取り組んでいる方にとって有益な情報を得ることができる場になっていたのではないかと思います。
引き続き、本イベントなどを通して、CI/CD、DevOps、DevSecOpsに関する情報を発信していきたいと思います。

<<開催概要>>
会期:2025年 9月5日(金)|13:30-16:40|オンライン
| 名称 | Jenkins Day Japan 2025 |
| 開催日時 | 2025年9月5日(金) 13時30分~16時40分 |
| 開催場所 | オンライン(Zoom利用) |
| お申し込み | 事前登録制 ※同業他社および当社の競合企業にあたる企業の方のお申し込みは、ご遠慮いただく場合がございます。 ※セミナーの内容は変更になる場合があります。ご了承をお願いいたします。 |
| 参加方法 | 申し込みフォームから登録をお願いいたします。 |
| 参加費 | 無料 |
| 定員 | 300名 |
| 主催 | テクマトリックス株式会社 |
| 対象者 | ・Jenkinsをこれから利用、または利用し始めの方 ・継続的インテグレーション/継続的デリバリーの導入に取り組んでいる方 ・ソフトウェア開発の効率化をお考えの方 |
| 個人情報のお取り扱いについて | お申込みいただきました個人情報は、主催企業であるテクマトリックス株式会社と、テクマトリックスグループで取得し、イベント参加申し込みを適切に受け付けて管理します。 ご入力いただいた個人情報は、製品・サービスの案内・提供・保守、各種セミナーの案内、各種アンケート、採用の募集を実施するために必要な範囲内で利用することがあります。当社の“個人情報保護方針”の詳細については、個人情報保護方針のページをご参照ください。 |
| お問い合わせ | テクマトリックス株式会社 ソフトウェアエンジニアリング事業部 TEL:03-4405-7853 |
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