Jenkins Day Japan 2022 開催レポート


ご参加いただきありがとうございました。
次回に向けた企画も始動、お楽しみに!

本ブログでは6回目の開催となる「Jenkins Day Japan 2022」開催レポートをお届けします。

新型コロナウィルスの感染リスクを踏まえ、前回に続きオンライン開催となりました。「CI/CD、DevOps、DevSecOps」をテーマにJenkins活用事例の紹介に限らず、「CI/CD」「DevOps」に取り組まれている方々にご講演いただきました。毎回、多彩なゲストをお迎えしておりますが、本レポートでは招待講演を中心に紹介いたします。

「Jenkins」の商標、ならびに「Jenkins Day Japan」のイベント名称は、Jenkinsコミュニティの許可を得て使用しています。


【講師】

加藤 研也 氏  (Kenya Kato)

株式会社日本総合研究所
システム企画部長
https://www.jri.co.jp/

【経歴】
1998年 日本総合研究所入社。2012年より三井住友フィナンシャルグループ IT企画部にてインフラ企画を担当。2017年より、AI、ブロックチェーン等の専門組織(先端技術ラボ)の立上げ、DX開発の専門組織(DX本部)の立上げ、開発技術や応用技術全般を担当。2020年より現在まで、システム企画部にて、システム部門の組織運営、インフラ企画、開発技術、アーキテクトチームを担当。

【セミナータイトル】

デジタル時代のアーキテクチャと開発組織

【講演概要】
伝統的な金融機関がデジタルトランスフォーメーション(DX)を進める上で、克服すべき課題はたくさんあります。全く新しいビジネスモデルを実現するDX推進のみが注目されがちですが、既存IT資産のモダナイゼーションも非常に重要です。本セッションでは、こうした背景のもと、デジタル時代のアーキテクチャをどう捉えているのか、また、日本総研がどのような変革に取り組んでいるのか、をご紹介いたします。

【レポート】

変化の激しい市場のなかで競争優位性を確保するため、いまDXは多くの企業が関心を寄せるキーワードのひとつかと思います。しかし、伝統的な企業であればあるほど既存のITシステムがDX推進の足かせとなってしまう場合があると加藤様は言います。

SMBCグループ全体の中核IT会社である日本総合研究所様では、この伝統的企業におけるDX推進のボトルネックを解消するため、新たにDX開発チームを組織し、DX推進と既存IT資産のモダナイゼーションの両輪で取り組みを進められています。

日本総合研究所様では、企業システム群を役割や特性に応じて3つの領域に分類してそれぞれに適した技術を用いるという考え方に沿って、領域ごとに特性を合わせて既存システムを整理・モダナイズしていき、それぞれの領域のシステムがAPIなどで有機的に連動していくことを、DX時代のアーキテクチャと考えていらっしゃいます。そして、3つの領域のうちの1つであるSoE(System of Engagement)を担当するDX開発チームの組織をどのように作り上げたのか、設立から今に至るまでの道のりをお話いただきました。
日本総合研究所様がどのように組織的レベルでDXを推進してきたのか、いまDX推進に取り組む多くの企業にとって参考になる貴重なお話でした。


【講師】

川口 耕介 氏 (Kohsuke Kawaguchi)

Launchable, Inc.
CEO
https://www.launchableinc.com/

【経歴】
米国Sun MicrosystemsにてJavaEEの開発に携わった後、オープンソースのCI/CDサーバJenkins及びそのコミュニティを作る。2010年よりCloudBeesにてJenkinsを事業化、CTOとして400人規模の会社へと成長させる一翼を担う。CloudBees、GoogleやNetflixなどがLinux財団と設立したContinuous Delivery Foundation にて技術監督委員会の委員長。2020年よりLaunchable co-CEOとして開発者の生産性への更なる取り組みを進める。楽天テクノロジーアワード、日米韓オープンソースアワード貢献者賞、O’Reilly オープンソースアワード、未踏ユース・スーパークリエイター賞。

【セミナータイトル】

開発者体験を改善する5つの実践テクニック

【講演概要】
テストの自動化は済んだ。開発者の全てのチェックインに対してテストが走っている。人生は上々だ!...本当に?
年商40億円のSaaS会社がテストの自動化をした後に何を発見したのか、そして彼らがどのような施策をしてテストをより効率的に、開発者をハッピーにしたのかを紹介します。

【レポート】
CI/CDによるテスト自動化のしくみを構築した後にも、開発者の業務効率化のために継続的な改善活動が必要になります。テスト実行時間の削減はそのひとつです。いかに自動化していてもテストが積み重なっていけば実行にかかる時間は膨れ上がり、小さな変更がやりづらくなったり、緊急で対応しないといけない変更が遅れるなど、開発者に負担をかける要因になってしまいます。

川口様のご講演では、あるSaaS開発企業での改善活動を例に、彼らが行ったテスト実行を効率化する5つの取り組みをご紹介いただきました。この改善活動により、開発者を苦しめていたプリマージの際の自動テストの実行時間を3分の1にまで短縮することに成功しています。
必要なテストは省くことなく、テスト実行時間を短縮していくためには、どのような視点でテストの効率化を検討していくべきか、テスト実行における有益なアイディアが得られるセッションです。


【講師】

松原 信忠 氏 (Nobutada Matsubara)

株式会社MIXI
モンスト事業本部 ゲーム運営部 モンストサーバ2グループ
https://mixi.co.jp/

【経歴】
2018年に新卒として入社。『モンスターストライク』のサーバーサイド開発を担当し、業務では主にRubyとGoでのプログラミングを行う。プログラミング言語が好きで、趣味ではHaskellやElmをよく利用している。

【セミナータイトル】

モンスターストライクとJenkins

【講演概要】
『モンスターストライク』のサーバーサイド開発では、CI/CD 環境として Jenkins を自分たちで運用しながら利用しています。どのような構成で運用しているのか、利用しながら生じた課題をどのように解決したのかを紹介します。例えば、Jenkins エージェントを自動でスケールさせるためのアプリケーションを自分たちで作っていることや、Jenkins のアクセス制御に自作のゼロトラストプロキシを利用していることなどをお話します。

【レポート】
MIXI様には、あの人気アプリ「モンスターストライク」の開発でのJenkins活用事例をお話いただきました。モンスターストライクのサーバーサイド開発チームはJenkinsを活用することで、テスト実行やデータインポート、IaCの適用などを自動化されています。

MIXI様では、複数のメンバーやチームが関わる社内のJenkins環境を運用していく際に課題になりがちなリソースやセキュリティなどの課題に対して、エージェントのオートスケーラーやアクセス制御のゼロトラストプロキシを自分たちで作成する、その他OSSやチャットツールを組み合わせるなど、課題解決のためのシステム構築に取り組まれています。社内のJenkins環境の運用を考える際の課題解決の例として非常に参考になる取り組みだと思います。


【講師】

Bryan Guinn 氏

CloudBees
Defense Lead

【セミナータイトル】

Software Delivery Automationがアメリカの軍事競争力を強化する

【講演概要】
空軍兵器や軍事システムを実現/強化する統合的なソフトウェアソリューションの必要性が高まっている中で、ソフトウェアファクトリーには堅牢なRMF(リスクマネジメントフレームワーク)を組み込むと同時に、ニーズに沿ったソフトウェアを迅速にデプロイできることが求められています。 そこで本講演では「Software Delivery Automation」を用いた、開発、セキュリティ、運用にわたるソフトウェアファクトリー全体のDevSecOpsパイプライン構築についてご紹介します。

【レポート】
いまや軍事兵器/システムにおいてソフトウェアの担う役割は大きくなっているため、軍事産業においてもCI/CD、DevOps、DevSecOpsなど、より迅速にソフトウェアをデプロイするためのソフトウェア開発プラットフォーム整備が重要な取り組みとなっています。

本セッションでは、CI/CD、DevOps、DevSecOpsなどの領域においてさまざまなソリューションを提供するCloudBees社から、「Software Delivery Automation」を用いたアメリカ空軍での取り組みについてご講演いただきました。
CI/CDによるビルドやテストなどの自動化はもちろん、CI/CDパイプラインの各フェーズにおけるエビデンスの収集および承認プロセスの自動化、また各コミットからリリースまでのDevSecOps環境のパフォーマンスを測定し、ボトルネックとなっている箇所の特定・改善を行うしくみを備えたDevSecOpsパイプラインをご紹介されています。


<<さいごに>>

今年度もさまざまな業界から多彩なゲストをお招きし、CI/CD、DevOps、DevSecOpsに関する大変貴重な取り組みをお話いただきました。
引き続き、本イベントなどを通して、CI/CD、DevOps、DevSecOpsに関する情報を発信していきたいと思います。それではまたお会いしましょう!


<<開催概要>>

会期:2022年 11月2日(水)|10:00-17:10|オンライン

名称 Jenkins Day Japan 2022
開催日時 2022年11月2日(水) 10時00分~17時10分 
開催場所 オンライン(Zoom利用)
お申し込み 事前登録制
※同業他社および当社の競合企業にあたる企業の方のお申し込みは、ご遠慮いただく場合がございます。
※セミナーの内容は変更になる場合があります。ご了承をお願いいたします。
参加方法 事前申し込みフォームから登録をお願いいたします。登録後の自動返信メールは行っておりません。
後日、Zoomのログイン先をメールでご連絡いたします
参加費 無料
定員 500名
主催 テクマトリックス株式会社
対象者 ・Jenkinsをこれから利用、または利用し始めの方
・継続的インテグレーション/継続的デリバリーの導入に取り組んでいる方
・ソフトウェア開発の効率化をお考えの方
個人情報のお取り扱いについて お申込みいただきました個人情報は、主催企業であるテクマトリックス株式会社と、テクマトリックスグループで取得し、イベント参加申し込みを適切に受け付けて管理します。
ご入力いただいた個人情報は、製品・サービスの案内・提供・保守、各種セミナーの案内、各種アンケート、採用の募集を実施するために必要な範囲内で利用することがあります。当社の“個人情報保護方針”の詳細については、個人情報保護方針のページをご参照ください。
お問い合わせ テクマトリックス株式会社 ソフトウェアエンジニアリング事業部
TEL:03-4405-7853

 


講演スケジュール

 

時間割 区分 セミナータイトル・項目 講師
10:00-10:15 - 開始挨拶/オープニングトーク テクマトリックス株式会社
10:15-10:55 A-1 招待講演 A-1
デジタル時代のアーキテクチャと開発組織
株式会社日本総合研究所
加藤 研也 氏
10:55-11:05 - 休憩 -
11:05-11:45 A-2 招待講演 A-2
開発者体験を改善する5つの実践テクニック
川口 耕介 氏
Launchable, Inc.
11:45-11:55 - 休憩 -
11:55-12:15 B-1 ランチセッション B-1
開発現場でCI/CD自動化の仕組みが導入される理由
テクマトリックス株式会社
柏 浩二
12:15-12:20 - 休憩 -
12:20-12:40 B-2 ランチセッション B-2
柔軟かつスピーディにUI/UX開発を実現するための最初の一歩!
~フロントエンド/モバイル開発から自動化/DevOpsまでをカバーする人材育成~
テクマトリックス株式会社 山田 新吾
株式会社カサレアル 増田 華菜子
12:40-13:00 - 昼休憩(20分) -
13:00-13:40 A-3 招待講演 A-3
モンスターストライク と Jenkins
株式会社MIXI
松原 信忠 氏
13:40-13:50 - 休憩 -
13:50-14:30 A-4 主催者講演 A-4
Jenkinsはもう古い?様々な角度から見たJenkinsの現状の紹介
テクマトリックス株式会社
長久保 篤
14:30-14:40 - 休憩 -
14:40-15:00 B-3 スポンサー講演 B-3
CI/CD・DevOps環境を数時間で作成するテクマトリックスNEO~Jenkins連携もより簡単に~
テクマトリックス株式会社
鈴木 航平
15:00-15:10 - 休憩 -
15:10-15:30 B-4 スポンサー講演 B-4
CI/CDにサービス仮想化を統合!UIテスト、APIテストをシフトレフト
テクマトリックス株式会社
飯山 正史
15:30-15:40 - 休憩 -
15:40-16:05 A-5 海外講演 A-5
Software Delivery Automationがアメリカの軍事競争力を強化する
CloudBees
Bryan Guinn 氏
16:05-16:15 - 休憩 -
16:15-16:55 A-6 主催者講演 A-6
Jenkinsの課題を一気に解決!ユーザー事例から見るCloudBees CIによるEnterpriseなCI/CD
テクマトリックス株式会社
橘 祐史
16:55-17:10 - 全体のQ&A+閉会挨拶 -
17:10 - 閉会 -

テクマトリックス株式会社
ソフトウェアエンジニアリング事業部
ソフトウェアエンジニアリング営業部