第2回「Jenkins Day Japan 2018」講演動画・資料を公開
2018年10月16日(火)ベルサール御成門タワーで開催した第2回「Jenkins Day Japan 2018」。日本でのJenkinsを盛り上げるため、川口耕介氏をはじめ、Jenkinsをリードするエンジニアを特別講師としてお招きして、最先端の取り組みを講演していただきました。2回目となるJenkins Day Japan 2018は、多くのお客様が来場され、質疑応答でも非常に多くのご質問をいただくなど、Jenkinsへの関心の高さが伝わる、熱気のあるイベントとなりました。
Jenkinsイベントに参加できなかった方に向けて、Jenkins Day Japan 2018のレポートと一部講演動画を公開いたします。
講演資料のダウンロードもご案内しておりますので、ぜひご確認ください。
Jenkins Day Japan 2018 開催レポート・講演動画
Session1
大企業におけるDevSecOpsの変革
Experian Ltd
Moied Wahid氏
【概要】
DevSecOpsの複雑性が高まる一方で、多くの人々が「大企業の文化を変えるのは不可能だ」と考えています。しかし実は、DevSecOpsとはまさにそのような考えに挑むアプローチなのです。
同じPDLCでも企業によってその実装方法はさまざまですが、重要なことは、開発チームが反復の高速化と高品質なコードを実現できるように、コード変更のたびに継続的かつ迅速なフィードバックを返すことです。
本講演では、DevSecOpsの実現のために企業が想定するべき点や、コードデリバリーで発生しうる問題を排除するための継続的な取り組みについてご紹介します。
「DevOpsの改革に向けて
強力なビジョンを描くこと、定量化することが大事」
DevSecOpsの実現のために企業がどのような取り組みを行うべきかという大きな観点と、開発プロセスを具体的にどのように変えたのか、という話を情熱的に語っていただきました。
ウォーターフォール型の開発を2年でアジャイルに変革したMoied氏。
「品質を担保したソフトウェアを早く届ける」というゴールを掲げ、サイクルタイム(ソースコードを開発してから、実際に配布されるまでの時間)を1日までに縮めるという無茶とも思える目標を設定し、DevSecOps改革を行った。目標を達成するためには、「ゴールにこだわる意識」、「高い目標に向かって進む勇気」、「岩にかじりつく頑張り」、そして大事なことは、定量化した結果を経営層・社内メンバーに発信すること、計れないものは改善できないと語るMoied氏。
企業レベルで継続的デリバリーを”文化的に”根付かせることは、とても大変なことであるが、一方でやりがいのある仕事である。シェアードサービスは、2軍のチームだと考えられていたが、シェアードサービスにこそ、自動化・生産性の情熱を持っている優秀な人材を配置するべきだと語るMoied氏の言葉に、大きく心を動かされました。
Session2
こうしてDevOpsは大人になっていく
初期導入の後、DevOpsの取り組みをどのように拡大するか
ABN AMRO Bank N.V.
Stefan Simenon 氏
【概要】
国際的な大手投資銀行であるABN AMROでは、遠い昔、DevOpsについてのさまざまな冒険的な試みがおこなわれました。現在ではこうした取り組みは成熟し、DevOpsはサービスの市場投入を加速する全社的な取り組みにまで発展しています。
本講演では、「本質的に異なるチーム間で知識を展開するには?」「異なる技術スタックに対応するDevOpsツールチェインをどのように設計するか?」「円滑にクラウドに移行するには?」といった、DevOpsを拡大するためのまったく新しい考え方と総合的なアプローチについてご紹介します。
「ウォーターフォール開発からアジャイル開発への転換に成功
それは、成功体験の共有、経営者によるコミットメント」
従来は、ウォーターフォールモデル開発を行っており、頻繁なリリースの実現が課題だった。このままでは競合他社やFinTechを武器とした新興企業などに追い抜かれるという危機感から、2015年からDevOpsの実現に向けて取り組みをスタートし、金融機関にみられる官僚的なプロセスを、2年でDevOpsなプロセスに変革した旅路を語っていただきました。
アジャイルでの小さなパイロットプロジェクトからスタートし、そこでの成果を経営者層に共有。2016年には、CI/CDは全社的な戦略テーマの1つとして位置づけられるようになった。上位経営者層の人たちがこのような取り組みを理解し、コミットする必要があると語るStefan氏。
現在は、1,500人の開発者が利用するJenkins でのパイプラインを実現。さらなるスケールを可能にするための手法や今後の取り組みについてもお話しいただきました。
DevOpsの取り組みは、終わりのある旅路ではない。1歩進むために、2歩下がって、3歩進むこともある。失敗から学ぶという文化を組織に根付かせることが大事であり、「小さい改善を1つ1つ積み上げていく、必ずしも大きなジャンプをしなくてもよい」という言葉に、勇気づけられた方は多いのではないでしょうか。
Session3
段階的なCI(継続的インテグレーション)/CD(継続的デリバリー)の実現
テクマトリックス株式会社
システムエンジニアリング事業部
【概要】
CI/CD導入をしたいけど、どこから手をつけるべきか、CI/CDの素晴らしい効果はわかっていても、どのように実現するのかといった悩みがあるのではないでしょうか。CI/CDの導入に向けては、自動化のプラクティスを“全て”最初から行うのは難しく、段階を踏んでプロセスを成熟させることがポイントとなります。
本講義では、「段階的なCI(継続的インテグレーション)/CD(継続的デリバリー)の実現」に向けて、CI/CDを実現するにあたっての、障害となる事象と解決策として、CloudBees Coreの活用、またテクマトリックスのソリューションをご紹介いたします。
「CI/CD導入の第一歩を踏み出すために
自社の状況に応じたJenkinsの活用を」
テクマトリックスからは、継続的インテグレーション/継続的デリバリーの導入の段階と施策、そしてテクマトリックスが提供するサービスについて講演しました。
CI/CD導入をしたいがどこから手をつけるべきか、CI/CDの素晴らしい効果はわかっていてもどのように実現するのか、といったお悩みに対して、CI/CD導入時に障害となる事象と、その解決策としてJenkinsソリューション「CloudBees Core」をご紹介しました。「CloudBees Core」 については、Kubernetes上で動作している様子をデモンストレーションにてご紹介。また、Jenkinsをこれから始める方に向けての「Jenkinsトレーニング」、自社の環境に合ったJenkinsを利用した「CI環境構築の支援サービス」を導入事例を含めてご紹介しました。
テクマトリックスは、お客様のビジネスに合わせて、テストツールや分析ツールを組み合わせた最適な開発環境をご提案可能です。「ソフトウェアの品質確保と開発時間の短縮を両立させる」といったお客様の課題がありましたら、ぜひ、テクマトリックスにご相談をください。
Session4
「DevOpsを前進させるCloudBeesの取り組み」
CloudBees, Inc. Chief Technology Officer
川口耕介 氏
【概要】
ビジネスにおけるソフトウェアの重要性がいや増すにつれ、DevOpsやCDといった取り組みはもはや単なる技術的な取り組みとして片付けられるものではなくなってきました。本講演では、CloudBeesのCTOやJenkinsの創始者の立場から、今さまざま業界でどのようなことが起こっているのか、そしてそれらの変革に取り組む企業を助けるためにCloudBeesが製品やJenkinsプロジェクトを通じてどのような取り組みをしているのか、俯瞰します。
「あらゆる産業のあらゆる企業がソフトウェア産業になっていく
ソフトウェアが世界を席捲する」
昨今、さまざまな業界(製造業・金融業・公共機関など)で起こっているソフトウェアによる改革の意味すること、それを軽視することによるビジネスリスク、そしてCloudBees社として、どのようにソフトウェア産業を支援していくかを、川口氏の持つ大きなビジョンとその想いをJenkinsという枠を超えて、静かに熱く語っていただきました。
エンジニアリングのためのエンジニアリングに投資を行うことで、2段階でビジネスにテコが効くという事例の紹介など、開発者に自動化の仕組みを提供するという文化を創っていくことや、既存の開発プロセスの改善を見直すことで、他の会社が追い付けないようなソフトウェア開発を実現できると語る川口氏、考えさせられる講演となっていたのではないでしょうか。
<<特別講演>>
特別講師:1
Moied Wahid 氏
Experian社
• 略歴
Experian社 プラットフォームエンジニアリング部門のVice President。ソフトウェア開発、アーキテクチャ、分散システム、サービス、DevSecOpsなど幅広い経験を持ち、特にクラウドでのスケーラブルなプラットフォーム構築について豊富な専門知識を持つ。手がけたエンジニアリング ツールは、PaaS、アプリケーション ライフサイクル マネジメント、CI、ビルド、コンパイラ、開発テスト環境など多岐にわたり、生産性向上に向けた取り組みを推進し、サイクルタイムの大幅な短縮を実現している。
前職では、米PayPal社にてDirector Software Engineeringとして開発者エクスペリエンスの先頭に立つ経歴を持つ。
特別講師:2
Stefan Simenon 氏
ABN AMRO Bank N.V.
• 略歴
Centre of Expertise Software Development & Toolingのトップ。ITプロフェッショナルとして、継続的インテグレーション、継続的デリバリー、ソフトウェア品質、ツーリング、DevOps、クラウド ネイティブといったトピックに熱意を注ぐとともに、これらの手法に関連する文化/組織/チームの変化、そして技術的変化のマネジメントに情熱的に取り組んでいる。ソーシングと契約のマネジメントにおいても豊富な経験を有し、複雑な交渉に対応した経歴を持つ。複数の利害関係者がからむ複雑な環境において、ソーシャル/コミュニケーション スキルと深い IT系知識を駆使し、それにユーモアのセンスを合わせてさまざまな問題を乗り越えてきた。現在は ABN AMROにおいて CICDおよびクラウド ネイティブ開発を担当している。
特別講師:3
川口耕介 氏
CloudBees, Inc.
・略歴
- -Sun Microsystems在籍時に仕事の片手間にJenkinsを作り始める
- -Oracleによる買収後、CloudBeesへ
- -CloudBeesのJenkins専業化に伴いCTOに就任
<<開催概要>>
会期:2018年 10月16日(火)
会場:ベルサール御成門タワー(東京)
名称 | Jenkins Day Japan 2018 |
会期 | 2018年10月16日(火) 10時30分~17時00分(10時から受付開始) |
会場 | ベルサール御成門タワー 4F (会場のご案内)
〒105-0011 東京都港区芝公園1-1-1 住友不動産御成門タワー ベルサール御成門タワー4F |
お申し込み | 事前登録制 (ご参加の際に、お名刺を一枚ご用意をお願いいたします。) |
参加費 | 無料 |
定員 | 350名 |
主催 | テクマトリックス株式会社 |
来場対象 | ・Jenkinsをこれから利用、または利用し始めの方 ・継続的インテグレーションの導入に取り組んでいる方 ・ソフトウェア開発の効率化をお考えの方 |
お問い合わせ | テクマトリックス株式会社 システムエンジニアリング事業部 ソフトウェアエンジニアリング営業部 TEL:03-4405-7853 |
<<スケジュール>>
会期:2018年 10月16日(火)10:30-17:00
※セミナーの内容、スケジュールは変更になる場合があります。
10:00-10:30 | 受付開始(10時~) | |
10:30-10:40 | 開会・ごあいさつ | |
10:40-12:00 Session 1 |
大企業におけるDevSecOpsの変革
DevSecOpsの複雑性が高まる一方で、多くの人々が「大企業の文化を変えるのは不可能だ」と考えています。しかし実は、DevSecOpsとはまさにそのような考えに挑むアプローチなのです。 |
Moied Wahid 氏 Experian社 (元:PayPal社) |
12:00-13:10 |
昼休憩(軽食をご用意しております。) | |
13:10-14:30 Session 2 |
こうしてDevOpsは大人になっていく 初期導入の後、DevOps の取り組みをどのように拡大するか
国際的な大手投資銀行であるABN AMROでは、遠い昔、DevOpsについてのさまざまな冒険的な試みがおこなわれました。現在ではこうした取り組みは成熟し、DevOpsはサービスの市場投入を加速する全社的な取り組みにまで発展しています。 |
Stefan Simenon 氏 ABN AMRO Bank N.V. |
14:30-14:45 |
休憩(コーヒーをご用意しております。) | |
14:45-15:30 Session 3 |
段階的なCI(継続的インテグレーション)/CD(継続的デリバリー)の実現
CI/CD導入をしたいけど、どこから手をつけるべきか、CI/CDの素晴らしい効果はわかっていても、どのように実現するのかといった悩みがあるのではないでしょうか。CI/CDの導入に向けては、自動化のプラクティスを“全て”最初から行うのは難しく、段階を踏んでプロセスを成熟させることがポイントとなります。 本講義では、「段階的なCI(継続的インテグレーション)/CD(継続的デリバリー)の実現」に向けて、CI/CDを実現するにあたっての、障害となる事象と解決策として、CloudBees Coreの活用、またテクマトリックスのソリューションをご紹介いたします。 |
テクマトリックス株式会社 システムエンジニアリング事業部 |
15:30-16:50 Session 4 |
DevOpsを前進させるCloudBeesの取り組み
ビジネスにおけるソフトウェアの重要性がいや増すにつれ、DevOpsやCDといった取り組みはもはや単なる技術的な取り組みとして片付けられるものではなくなってきました。本講演では、CloudBeesのCTOやJenkinsの創始者の立場から、今さまざま業界でどのようなことが起こっているのか、そしてそれらの変革に取り組む企業を助けるためにCloudBeesが製品やJenkinsプロジェクトを通じてどのような取り組みをしているのか、俯瞰します。 |
川口 耕介 氏 CloudBees, Inc. Chief Technology Officer |
16:50-17:00 | 全体の質疑応答/アンケート | |
17:00 | 閉会 |